Sil Monster sculpture / HR Giger Museum
パソコンのフィルダ見てたら'Species'の画像がたくさん出てきて、最近はまたスピーシーズ熱が出てきたよ。 『スピーシーズ 種の起源』1995年公開の映画。
当時は公開前から色んな雑誌でH.R.Gigerがデザインした'Sil'が公開されていて、エイリアン以降、ギーガーが携わる本格的な作品だったので期待に胸を膨らませたものである。
『20年前から地球外文明探査グループは宇宙に向けて、人類の情報を発信していた。 ある日、未知の地球外生命から返信があった。それは無限エネルギーを可能にするメタン触媒の構造式と、人と結合出来る未知のDNAの情報であった。生命誕生の鍵を解くべく人類は人のDNAと未知のDNAを結合させ、新たな生命を誕生させた・・・』
何とも好奇心をくすぐられるシナリオではないか。当然、公開されると速攻で観に行ったYO!
で、観終わってから肩を落として映画館を後にしたよ・・・ いや、観てる途中でガッカリした![]()

人類が作り出した生命体は、実は未知の生命体が、無限エネルギーをエサに自分達の遺伝子情報を提供し、地球で繁栄する為に人類に作らせたものだった。
当然、人間の遺伝子を獲得したエイリアンは繁殖する為に人間とどんどん交尾するんだけど・・・ とにかく演出が酷すぎて、全てが’やっつけ仕事’みたいな感じだった。無駄に多いエロシーンは映画作品だと云うのに美しさも無く、全く官能的でもなかった・・・
それに折角のギーガー・デザインのシルの見せ場が大昔の戦隊物の怪人みたいだし、CGバリバリの合成具合・・・ 泣ける作品だったよ・・・![]()

映画はお金を払う価値も無い下らないものだったけど、H.R.Gigerのクリーチャー・デザインは素晴らしいものであった。 画像はスイスのギーガー・ミュージアムに飾られている'シル'のスカルプチャー。逆光からの撮影で'シル'の透明具合が強調されている。
昔、読んだ本の中に、ギーガーが『エイリアンの仕上がりには不満だったが、スピーシーズの仕上がりには大満足である』という様な事を云っていた。僕にとっては'ALIEN'は最高に痺れるもので、真にギーガー’sを表現しているものだと今でも感じているが、ギーガーは透明な身体にとても執着していた。'ALIEN'においても透明なスキンスーツが存在していて、アクション・テストも行われていたが、実際にはスーツが撮影に耐えられない等の理由で採用には至らなかった様だ。
'Species'用にギーガーは数え切れないデザインを描いた。これらのデザインは映画公開前に色々な雑誌で公開されていたが、'ALIEN'の表情の無い無機質なデザインに憧れていた僕は、当初'Sil'のこのデザインが好きになれなかった。
今では凄く好きなんだけどね~![]()

今から30年程前、難波の洋書等を扱う大型書店でH.R.Gigerの本を手に入れて、ずっと眺めていたよ。今でも実家にある筈なんだけど何処にしまってあるのかな・・・
H.R.ギーガーのアートは陰翳が濃く機械と人が融合した様なバイオメカノイドが作品の主題になっている。そして作品の多くはとてもエロティックである。
ギーガーの作品は、肋骨や蛇腹の様な物の上から透明な被覆が覆っているものが多い。エイリアンを見ると、ギガーの作品から飛び出して来た様なインパクトを受けるが、ギーガーにとっては’透明な部分’も最も重要なエッセンスの一つだったのであろう。故にスピーシーズの’Sil’をエイリアン以上に高く評価していたんだと想う。
ギーガーの作品のモチーフはマニアックなセクシャル・プリファレンスで、とてもフェチシズムな要素が強い。特に唇や舌に対するフェチシズムと高い拘りを感じる。
映画スピーシーズの'Sil'が人間と交わる場面で何故、ギーガーのフェチシズムを取り入れなかったんだろう・・・ シチュエーションを整え、ギーガーのマニアックな性嗜好とフェチシズムを反映していれば作品の評価は格段に上がった筈なのに・・・
ヤル・・・終ったらグサッと殺す・・・ 別にギーガー・デザインのエイリアンじゃなくても良かったんじゃ・・・
H.R.Gigerの作品が好きなだけに、彼の作品を台無しにしているこの映画が嫌いで仕方無い。 こんな風に感じる僕は頭がおかしいのであろうか・・・・・![]()

おっと! 仕事に出かけなければならないので続きは明日書くYO!
Test fitting the Species Ⅱ Eve suite.